復活

おじんのつぶやき



  57.また書いています(18.12.01)

 “前号は8月であった。サイト更新に対する執念みたいなものはほとんど失われてきている。”
前号の「6」を「8」としただけ。止めたつもりでいて、むしろ「あれっ、8月か、あまり経ってないな」くらいな感想。
ともあれ、またキーボードにこうして向かっている。自分の意思のぶれに呆れる。

 相変わらず内田樹、そして平川克美などの本に接している。
 前から彼らの著書に取りつかれているその断片的感想をメモッておこう、そんな気には時々なっていたものだったが、PCでは、「その他優先業務」があって、なかなか手をまわすところまで行っていなかった(変な言い訳か)。
 今回も、どこまで続くか保証できない。ある会の新年号ニュース作成も控えているし。
 
 武蔵野大学社会連携センターでの受講は極端に減った。中野東禅先生の講義も道元から離れてしまったことを機に、30年度は、23年度から7年間続けていた受講を止めた。浄土真宗本願寺派の学校なので仏教関係の講座はまだ当然あるが多くは浄土教がらみで、私レベルで「もうこれでよい」という程度に受講し終わっており、まだあれば希望もするかもしれない「汎仏教的」講座、すなわち日本の宗派仏教以前の知見に関する講座(例えば原始仏教、竜樹や世親など、あるいは中国仏教など)も少なく、今は、仏教関係ではない「西洋哲学」関係の1講座だけの受講である。
 而して、最近の読書は少し西洋哲学、『ソクラテスの弁明』(プラトン 納富信留訳 光文社文庫)、『デカルト 方法序説』(山田弘明 晃洋書房)、『パスカル「パンセ」を楽しむ』(山上浩嗣 講談社学術文庫)などの他は専ら内田、平川の本である。


 内田樹について初めてここで触れたのは第29号で、昨年の夏だった。いま私の書架には、彼の本は20冊近くになっている。要は彼の著書は、コンピ本であれ書下ろし本であれ、私には、彼の言う「リーダブル」(「リーダビリティについては『街場の読書論』p465)だからであってこの結果になっているのだと思う。
 私には、密かに、「内田や平川の知見が何故もっと社会への影響力を発揮するまでの力にならないのか(なっているかいないかは統計的検証によるのではなく私の感じ)」ということを問いに立てて論じてみたいのだが、とても力量が及ばない。
 内田の、『街場の読書論』での、藤原正彦『国家の品格』を、そして、『ためらいの倫理学』で、高橋哲也『戦後責任論』や、加藤典洋『敗戦後論』や、上野千鶴子『男性学』他や、宮台真司の所説、等々にまさに俯瞰的、
〈……ここで止まって一日以上経ってしまった。“俯瞰的”という私としてはよく使う言葉だが、もっと良い表現があったはず、と5~6冊パラパラ散々拾い読みしたが、目的のものは見つからなかった。このあとにうまく続けられるであろうか〉、
 (もう一度)「俯瞰的」、しかも森の中をこまめに観察した後での改めての森全体を評する仕方、第29号で「凄い」という言葉で内田観を始めたとおり、「凄い」に尽きる。

 ここで、内田、平川の本全体について感想を書こうなどと言う事は到底できない。絞らねば。
 最新で読み終えた『街場の読書論』についてこのページは感想その他を書き進めよう。
〈…… 雑事が入り、またストップ、日を改めて ……〉
〈…… 朝だ。えーい、まず感想はいくつかあるが、単純なことから片付けよう ……〉

 内田の凄さのひとつ。語彙である。レヴィナスを師匠と任じているのだからフランス語が達者なのは判る。しかし「日本語」である。どこかに書いてあった。(出所探したが見当たらないので正確性には欠けるかもしれないが、)中学生のころガリ版刷りで何かを書いて周りに配っていた、とか、国語の模試はほとんどいつも満点だったとか、…。
 とりあえずまず初めに、『街場の読書論』のなかで、ほんの一部だけれど、「ひとレベル上の日本語を苦もなく使っている例」を掲げよう。

 すべての夾雑物をそぎおとした…(p500)、きわめて吝嗇である…(p494)、足をとらえる泥濘…(p483)、無数の転轍点があり…(p472)、自分たちが嵌入している…(p464)、如上の理由により…(p454)、という俚諺から知られる…(p452)、肌理細やかなコミュ…(p436)、秩序紊乱的である…、ふるまいは謙抑的に…(p435)、文人墨客と賺した話…(p418)、剽窃者によって…(p407)、まことに恐惶謹言…(p402)、稀覯本も…(p392)、これに贅言を加える…(p375)、との糾える縄のような…(p372)、本務に悖る…(p351)、被投性を遡及的に問う…(p340)、懦夫をして立たしむ…(p288)、そのまま偕老同穴死ぬまで…(p275)、禿びた筆で、金釘流で、がりがりと拙劣な臨書を…、明窓浄机に端座して…(p271)………

 こんな調子である。この号はここまでとして、別の感想は別途としよう。
 (題名あとの日にちは直します。11月に書きはじめたのですが…)
     
       

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